「旧約聖書の思想」−その6一
エデンの東

 

 アメリカの俳優ジェームス・ディーンによって、演じられてきわめて印象的な映画をおぼえているでしょう。私も観ました。創世記4章に基づく映画が製作されました。

人間の悲しい性格と運命を、よく暗示しています。兄が弟を殺すという事件は、最近身近に起こる出来事です。夫が妻を、妻が夫を殺し、子どもが母親の首を切り落とすといった事件の連続に、あらためて人間のこわさを感じます。

楽園を追われた夫婦は2人の子どもをえますが、子どもたちは仲よく暮らせないで悲しいことがおこる。他の生き物を治めるはずの人間が、罪に対して実にもろいものでした。カインは弟アべルを殺した。彼は神にむかって、不公平を問うところを、その怒りを弟にぶつけた。これによって事の解決にならなかった。愛する弟に手をかけて、してはならないことをしてしまいました。

 その結果、カインは住みなれた土地から追われて「地上の放浪者」となります。そして、生命の危機におびえてさまよい、やがてエデンの東に住むことになります。東というと私たちは、何か明るいものを感じ、希望とか幸福の意味に受けとりがちですが、「エデンの東」とは、エデンから遠くはなれたところを意味します。

〔2007年6月17日〕