「旧約聖書の思想」−その9−
契約と律法一神の名の啓示一

林 宣雄牧師 

 イスラエルのエジプト脱出という事件は出エジプト記以下四書に伝えられる。その指導者モーセの名は後世に伝えられた。それは伝説の時代がようやく過ぎて歴史時代が始ったことを示す。変貌の山でキリストはモーセとエリヤと三人で語り合われたとマルコ九章で伝えている。モーセはエジプトからはるかに遠いミデアンの地で神の召命を受ける。

 「わたしは、有って有る者」(出エジプト3:14)とはどういう意味か。ただ抽象的な存在というだけではなさそうです。現行の口語訳では「名」の部分はすべて「主」と訳されている。今でもユダヤ人はアドーナイ(主という意味)と読んでいる。正確にはその読みかたは、正確にはわからなくなったという事情があります。その母音をあてはめたのが「エホバ」という読みかたでした。

 「ヤハウエ」という読みかたが正しいだろうというのが、今日一般の見かたです。神の名に対する特別な考え方や態度がうかがえる。

神をあおぎ、何よりもおそるべきかたとして神をうやまい、尊んだのです。その神が同時に祖先たちの神であり、ヘブル人の神でもあったのです。ヘブルとは異国民と対照する場合の呼び名とされています。「イスラエルの神、主」という表現はさらに多く用いられます。

〔2007年7月8日〕