「旧約聖書の思想」−その11−
歴史と審判1−歴史書について@一

林 宣雄牧師

 あなたはあなたの神、主の前で次のように告白しなさい。「わたしたちが先祖の神、主に助けを求めると、主はわたしたちの声を聞き・・・わたしたちをエジプトから導き出し・・・」
                           (申命記26章5節〜10節)

 これはイスラエル人の古い信仰告白です。


カナンの土地への定着の過程が、ヨシュア記・士師の二書に、続いてそこに建てた国の初めから滅亡までの波乱が、サムエル・列王の二書に記されています。申命記に告白された内容がこの四書に説明されている。その精神も同時に受けつがれており、申命記的な歴史書という名で呼ばれます。第一のヨシュア記では、モーセの後継者であるヨシュアが同胞をひきいて目的地にはいっていきます。不安と混乱の中で多くの課題を残していた。

 21章では父祖への約束がすべて実現したと言い、最後の24章では、神の助けを心から感謝し、神との契約を新たにする決断をヨシュアの告別の言葉として強く求められています。

 これは「シケム契約」と呼ばれる。申命記には「モアブの契約」(29・1)いずれも地名で示される。のちにはダビデに与えられた契約もあり、その場合は人名で表わされます。イスラエルの歴史は、契約のくり返しの形で述べられていると言えるでしょう。

〔2007年7月22日〕