「天の虫」

      林 宣雄 牧師

 

天界から人類の役に立つために多くのものが(くだ)ってきた。そのひとつが(かいこ)、天の虫である。命を(ささ)げて絹糸となる。人類の文化は長い歴史の歩みの中で衣装(いしょう)と出会う。

天笠国の姫は三ど、四どと死の苦しみを味わい、遂に小さな虫を残して昇天する。蚕は五歳まで、何度も眠り脱皮していく。死と再生である。いよいよ(まゆ)をつくりはじめる蚕は体中を透明な液体にみたし、ひたすら白い糸を()くのである。「着物は日本人の精神の立姿ともいえるものです」(志村ふくみ)

 

 「自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。・・・なぜ衣服のことで思い悩むのか」
mmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmm(マタイによる福音書第625節・28節)

 

七五三。だらりと下がる(たもと)。長さ(洋服では(たけ))より広さ(洋服は(はば))が異常に大きな和服の(そで)に注目します。

                       〔2005年11月12日〕