「戦争の罪責を担って」−その2−

 

林 宣雄牧師

 

 渡辺氏は「日本の若い人は日本の罪を引き継いでいる。この事実をはっきりさせるべきである」という。過去の日本の戦争罪責を今の世代のものとする思想がなければならない。

 クリスチャンで若い人の、その事について問題を理解し積極的に関わる人が少ない。キリスト者の絶対数が少ないだけではない。この問題に感受性を持たないクリスチャンが比較的少ない理由は、キリスト教(教会)が戦責思想を育てていないからである。思想を築き継承するには苦闘がある。アダムの罪が全ての子孫に及ぶという生き方、とらえ方が信仰の中で育てられていない。おそらく侵略したアジアの国々に対する申し訳ないという感情はかなり多くの日本人は持っている。またそのため気持ちの補償という形で表わさねばならないと理解する人はある程度いるだろう。

 ドイツではナチの(ざん)(ぎゃく)行為の実行者は今なお追及を受けている。日本では何を今さらと言い考える人が多い。実際に戦争に参加した人は戦争の悪を知っている。彼らは(おおむ)ね沈黙を守る。また、口外させない幾つかの力が働いた。日本社会はそのような沈黙に寛容なのである。罪の告白の思想が定着していない。

 少数だがキリスト教会は積極的発言がする人もいる。今、世界で戦争をする立場の人々は宗教原理主義者である。日本も神道原理主義の誇りを明治から継承されてきたのである。


               〔2006年8月20日〕