「旧約聖書の思想」−その3−三つの資料

 

林 宣雄牧師

 

 トーラーと呼ばれる旧約聖書の最初の五つの文書は、長い歴史の中で、それぞれの時代を担ったJ資料(ヤハウィスト)E資料(エロヒスト)D資料(申命記資料)P資料(祭司資料)の4つの資料で構成されている。

 これをJ・E・Pの三つについて表にします。

資料

成立年代

成立場所

特   徴

BC

11世紀

統一王国

(ユダ)

・神をヤハウェと呼ぶ。

・神と人間が直接会話

BC

8世紀

北王国

(イスラエル)

・神をエロヒムと呼ぶ。

・夢の中で話しかける。

BC

6世紀

バビロン

・系図、出来事に関心

・礼拝、律法を叙述

 創世記1章の人間創造は、P資料です。

J資料では人間の素材として「土の(ちり)」があげられている。(創世記2章)人間は「命の息」が入ってきて生きたものとなる。「息を引き取る」といいます。フッと息を吐いて死にます。3章では、誘惑について語られる。4章では殺人(兄カインは弟アベルを殺害)6章では有名なノアの洪水物語が紹介される。11章は有名なバベルの(とう)物語が記される。

 1899年から、18年にわたってバビロンの発掘がおこなわれた。ウルのジッグラトが有名です。聖書は、夫婦、兄弟、家族と社会、そしてそれらを(ほう)(かつ)する社会という形で自立する人間の姿を描きだしている。

〔2007年5月6日〕